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そう君は、元気な男の子。
うつ美ちゃんは、気の弱い女の子で、二人は幼馴染みでした。
性格は違うけど、いつも一緒。
気落ちしやすいうつ美ちゃんを、そう君は元気いっぱいに励ましてきました。
そんな二人の共通の夢は、藤子不二雄のような、
二人で一つの作品を作り上げていく漫画家になること。
気落ちしやすいうつ美ちゃんを支えてきたのは、その夢でした。

そして、二人も大人になって、ある日のこと。
そう君は素晴らしい女性と出会いました。
元気だけれども、後先考えないところのあるそう君は、
うつ美ちゃんとの夢のことも忘れて、
その素晴らしい女性にのめり込みました。
うつ美ちゃんも自分とその女性を比べて、しょうがないなと思いました。

ところがその女性は、結婚サギ師だったのです。
そう君は、持っていたお金を全て取られた上に、
家を買わされ多額のローンを背負わされてしまいました。
そんなそう君をうつ美ちゃんは、やはりしょうがないわねと受け入れてくれました。

そう君は気づきました。
元気だけど後先考えず突っ走る自分には、
うつ美ちゃんという気は弱いけど慎重なブレーキ役が必要で、二人は一つであるべきなのだと。

「という話を、躁うつ病の患者に、躁と欝(うつ)のバランスが大事という意味で、
 話そうと思っているのですが、教授、いかがでしょうか?」
「うーん。面白いけど、藤子不二雄は止めておいた方がいいと思うね」
「どうしてですか?素晴らしいコンビだと思うのですが」
「うん。それはそうだけど、あれだろ。
 藤子不二雄は、まず男の二人組だし、結局AとFに分かれちゃったじゃないか」
「あっ、そうなんですか。
 じゃあ、藤子不二雄やめて、ロス・インディオス&シルヴィアにします」
「えーと、それは?」
「別れても好きな人を歌ってたデュオですよ」
「それはそれで懐かし過ぎるだろ。昭和の名曲、今の人、わかるかな?
 そもそも何かが違う気もするし。しかも、別れの歌だし」
「でも、父と母の十八番なんです。二人の心は今でも一つですよ」
「…………」
その後、やっぱり何かが違うと感じていた教授は、
何気なくネットでロス・インディオス&シルヴィアを調べました。
するとそこには、デュオではなく、六人組のバンドの写真が……。

ロス・インディオス&シルビア

そもそも二人じゃない

〈文責 Dr.K〉